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A.の雑記(映画・音楽・アートetc.)
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どれだけ親しい人でも、その人の心を知ることはできない。
長年よりそった夫婦であってもお互いの全てをわかりあうことは出来ない。
だからこそ人は、お互いにお互いの気持ちを想像し、思いやることで、けっして知りえないその空白を埋めようとする。そんな人間のどうしょうもない性を丁寧に描いた佳作漫画。
わかりあえないからこそ、必死に理解しあおうとするラストが胸に沁みる。

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スクリーントーンを全く使わない独特のタッチと、
全11話の虚と実入り交じったエピソードが最後に交差して一つの大きな物語絵巻を形作る構成の巧みさにシビレます。
ポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』
ポール・ハギスの『クラッシュ』
クウェンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』
スティーヴン・ソダーバーグの『トラフィック』
などの群像映画の構成を思わせる漫画。

☆ブラジル製バイク、エルドラドNRa誕生に携わった、
ニック・クラウス&ルー・プレヒト二人組の逸話。
☆ガガーリンに人類史上初の宇宙飛行を明け渡してしまった、
宇宙飛行士イワン・イワノビッチの話。
☆チェルノブイリ原発事故でただ一人生き残った消防士、
アレクサンダー・ボグダーンの苦悩。
☆アメリカ誕生の裏にあった架空のヴァイキング伝説譚。
☆作者、島田虎之介の親戚だというブラジル移民ミムラアサオの人生。
☆北朝鮮の捕虜となったアメリカ人パイロットの運命。

と別々のストーリーが終盤に向かって、微妙に重なりあい収斂していく様はすこぶる心地よい。
実に映画的な漫画なんだけど、この物語を映画化するのはかなり難しいだろうなあ…。
でも、ぜひ映画化してほしい漫画です。
どこかで人は見ず知らずの人に、知らず知らずのうちに影響を受け、影響を及ぼし、生きている。連綿と続く世界の不可思議さを感じさせられる作品。
日本の漫画ってのは、ほんとスゴイ!と言うか、
島田虎之介という漫画家の才能がスゴイです!ほんと。 


虫けら様
秋山 亜由子 著

虫けら様…
もう、ナイスネーミングとしか言いようがありません。
「あんたなんて、人間のクズよっ!虫けら以下よっ!このろくでなしっ!!」ってな感じで数々の修羅場で使われてきた言葉、『虫けら』が、『様』を付けることで、こんなにもカワユイ言葉になるなんて…。衝撃です。秋山亜由子という人は天才ですね。
漫画の内容も虫の生態の不可思議さを、どこか飄々としながらも侘び寂び感満点に描いていてなんとも言えずよいです。虫の生態の神秘に浪漫と哀切を感じれます。秋山亜由子という人の、ちいさきもの(虫)への限りない慈しみを感じとることができます。
それは読んでいてとても心地がいいです。
僕は虫好きではありませんが、ちょっと虫が好きになりました。 
巻末には僕の好きな漫画家、近藤ようこさんとの対談もおさめられています。
短編『蚤のサーカス』は、ジャン・ピエール・ジュネが映像化したらおもしろいだろうなあ!


『ソラニン』(これは沁みる青春漫画の傑作!)を描いた浅野いにおの最新作。
紙に描いた落書きのような異質二次元キャラ、プンプン(小学五年生)が、なんの違和感もなく、他の普通のフォルムで描かれた登場人物たちと同じ空間上に存在しているという不可思議さがなんともいえず心地いい。こんな表現、発想がでてくるなんて浅野いにおってほんと天才。
他の浅野いにお作品同様、相変わらず日常のブラックな部分をつきまくってるとこで、好き嫌いがわかれそうですが僕は好きです。 
http://www.youngsunday.com/rensai/comics/oyasumi_punpun.html




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