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A.の雑記(映画・音楽・アートetc.)
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Coyote No.21 特集 柴田元幸が歩く、オースターの街[二〇〇七年、再び摩天楼へ]
画像
価格:¥ 1,470

ポールといえば…
マッカートニーではなく、はたまた牧でもなく、オースターな僕です。
ポール・オースターのニューヨーク三部作と呼ばれる初期作品のうちの一つ、
『City of Glass』(ガラスの街)が名翻訳家である柴田元幸氏の新訳で全文掲載されているぢゃんっ!ってことで、Coyote No.21号をうきうき購入いたしました。

ポール・オースターと柴田元幸氏の対談(二人の子供のころのはなし。)があったり、
『トゥルー・ストーリー』所収『なぜ書くか』より、掌編エッセイ『In My PocKet』(ポケットの中の空)が唐仁原教久氏のイラスト(ベン・シャーンのような細いインクの線描と、やわらかな色鉛筆絵が合わさったタッチが素晴らしいイラスト!)付きで載っていたり、柴田元幸氏が極寒のニュー・ヨークを歩いた時のエッセイ『ニュー・ヨーク 2007年3月』が掲載されてたりと、オースター好きにはたまらん内容です!(木原千佳さんの写真もポールオースター作品の雰囲気を的確に捉えていて、これまた素晴らしい!)

これを機に今度は、大好きなスティーヴン・ミルハウザーの特集とかやってほしいなあ!!ミルハウザーの対談とか、インタビューとかって見たことも聞いたこともないので、ぜひ読んでみたい…。

☆『Coyote No.21 柴田元幸が歩く、オースターの街』ページ↓
http://www.coyoteclub.net/catalog/021/index.html
☆Timothy Vermeulenのオイルペインティング


スクリーントーンを全く使わない独特のタッチと、
全11話の虚と実入り交じったエピソードが最後に交差して一つの大きな物語絵巻を形作る構成の巧みさにシビレます。
ポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』
ポール・ハギスの『クラッシュ』
クウェンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』
スティーヴン・ソダーバーグの『トラフィック』
などの群像映画の構成を思わせる漫画。

☆ブラジル製バイク、エルドラドNRa誕生に携わった、
ニック・クラウス&ルー・プレヒト二人組の逸話。
☆ガガーリンに人類史上初の宇宙飛行を明け渡してしまった、
宇宙飛行士イワン・イワノビッチの話。
☆チェルノブイリ原発事故でただ一人生き残った消防士、
アレクサンダー・ボグダーンの苦悩。
☆アメリカ誕生の裏にあった架空のヴァイキング伝説譚。
☆作者、島田虎之介の親戚だというブラジル移民ミムラアサオの人生。
☆北朝鮮の捕虜となったアメリカ人パイロットの運命。

と別々のストーリーが終盤に向かって、微妙に重なりあい収斂していく様はすこぶる心地よい。
実に映画的な漫画なんだけど、この物語を映画化するのはかなり難しいだろうなあ…。
でも、ぜひ映画化してほしい漫画です。
どこかで人は見ず知らずの人に、知らず知らずのうちに影響を受け、影響を及ぼし、生きている。連綿と続く世界の不可思議さを感じさせられる作品。
日本の漫画ってのは、ほんとスゴイ!と言うか、
島田虎之介という漫画家の才能がスゴイです!ほんと。 
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